【TOC】プロジェクトが遅延している人必見!CCPMを紹介!

生産技術

どうも!カワヤスです。
この記事ではエリヤフ・ゴールドラットさん著書の「クリティカルチェーン~なぜプロジェクトは予定通りに進まないのか?~」の本を中心にクリティカルチェーンプロジェクトマネージメントについてご紹介いたします。今まで思い通りにプロジェクトを進めてこられなかった方の悩みを解決したいと思います。なお、この記事で紹介しきれないノウハウがぎっしり詰まっていますので、興味を持たれた方は、ぜひ本書を手に取ってみてください。

◆本書を読んだ私の目的

私の目的は、これまでに経験したことのない規模のプロジェクトをどう遅延なく遂行するか、その手段を探すためでした。これまで生産技術職として従事してきた私は、主に機械設計を担当し、非鉄製錬のプラントに様々な設備を納めてきました。これらの業務を遂行する中で、予定通りに進められる案件となかなか思い通りに進められない案件があり、もし大きなプロジェクトで予定通り進められなかったらヤバいなと思い、本書に至りました。本書を読んで、プロジェクトがなぜ予定通りに進まないかを理解し、期限までに遂行できるよう試行錯誤してみました。その内容については、本記事の最後の方で解説させていただきます。今回は本書やその他の参考サイトから得た知識を皆さんへ共有していきたいと思います。

◆本書の結論

それでは早速、本書の結論です。本書の結論は、以下です。
クリティカルチェーンプロジェクトマネージメント方法を活用すれば、プロジェクトを期限内に遂行できます。
※クリティカルチェーンプロジェクトマネージメントは長いので、ここではCCPMと略します。

◆CCPMで解決できる問題

CCPMを用いれば、今まで起こっていた以下のような問題を解決できます。
・期限内にプロジェクトが終わらない。
・クリティカルパスを見逃し、納期が遅れる。
・施工業者の影響で全体スケジュールが延びる。などなど。
期待が膨らみますね~。

◆CCPMとは?(ここではあえて自分の言葉に置き換えてみます。)

CCPMとは、以下の特徴をもったプロジェクトの管理手法です。
・プロジェクトの進捗状況を視える化し、致命傷になる前に手を打つことができる。
・リソースの調整を行えるようタスクの重複を視える化し、調整する。
・不確実性に対して、管理バッファを設けてプロジェクトの納期を保護する。

 

メリット

①優先順位が明確になるので、何から手を付けて良いかが明らかになります。
②プロジェクトの遅延前に先手を打つことができる。
③上述の解決できる問題として掲げていた点がクリアできる。

デメリット

①CCPM素人が一人であれこれ調整すると相当時間がかかる。結果的に上手くいかない可能性が有る。
これに関しては後述するCCPMのソフトウェアが世の中にありますので、導入できれば解決できます。
②短期プロジェクトには向かない。
③部門間の協力がないと成立しない。

◆CCPMの進め方 ステップ説明

ここでは、CCPMの進め方を各ステップごとに解説していきます。CCPMがなぜこのような構成になっているかについては別の記事でまとめていこうと思いますので、お待ちください。

■Step1 ODSCを明確にする。

ODSCとはObjectives(目的)、Deriverables(成果物) 、Success Criteria(成功基準)の頭文字を並べた略語です。プロジェクトの初期段階でODSCをしっかり定義することで、後戻りを最小限にすることを目的にします。

■Step2 タスクの従属関係を明確にする。

プロジェクトのタスクをWBS(Work Breakdown Structure)で洗い出し、そのタスクの従属関係を明らかにします。例えば、カレーを作るときは材料を煮込む前に材料を切る工程がありますよね。そのようにタスクにも何かをやらなければその次の工程に進めないような関係性が有ります。ここでは、その関係性を従属関係と言っています。全タスクに対してA→B→C→Dのように従属関係を洗い出しましょう。
タスクをどの程度まで細分化するかは答えがありません。細かくする基準は人それぞれなので、やりやすい大きさで細かく設定します。目安としては各タスクの総数が300以下とすることです。理由としては、それ以上多いと逆に管理することが大変になってしまうからです。

■Step3 リソースを割り振る

各タスクをどのリソースが担当するのか明確にしましょう。割り振る際の考え方として、「誰がやる」という割り振り方よりも「プログラマ」のようにできる能力に対してリソースを割り振った方が良いです。

■Step4 タスクにかかる時間を見積もる

それぞれのタスクにかかる工期をプロの経験と勘からざっくりはじき出します。正確に出す必要はありません。いつもこのくらいかかるなというところで大丈夫です。

■Step5 リソースの被りを無くす

横軸に時間、縦軸にプロジェクトの項目をおいてガントチャートを作成したあとは、リソースの被りが無くなるように調整します。
人間はシングルタスクで業務を処理していきますので、同じリソースを使った検討時間が被ってしまうと、マルチタスクが発生してしまいます。マルチタスクは弊害を生む原因になりますので、それを極力調整するのです。

■Step6 バッファーを設けて管理する。

Step4で出した見積期間は、おそらく安全期間が含まれたものだと思います。誰しも、経験的に不確定要素を盛り込んだ場合を想定して、このくらいの期間あれば大丈夫だなという安全な期間で時間を見積もりがちです。これには期限内に終わらないと他所へ迷惑をかける。上司から詰められて余計な報告時間を取られる、あるいは叱責されるなどがあると思います。
そういった個々の安全期間はプロジェクト全体のリードタイムを延ばす要因ですので、ここでは一旦安全期間を取り除きます。安全期間の基準は様々ですが、おおよそ1/3を目安として考えると良いでしょう。各タスクの1/3の期間を除いたら、その期間分を全てまとめてプロジェクトの最後にくっつけます。これはプロジェクト全体を保護するという意味のバッファーに置き換わります。つまり、各タスクを保護するのではなく、プロジェクト全体を保護しようという考え方です。
管理方法としては、各タスクの進捗具合に対し、どの程度バッファを食いつぶしているかという視点で管理していきます。横軸がプロジェクト進捗度、縦軸がバッファの消費度を示しています。
赤色領域:プロジェクトの進捗が思わしくなく、危険領域を示す。何らかの対策を施す必要がある。
黄色領域:少々遅れ気味で、何らかの対策を検討しておいた方が良い。
緑色領域:順調に進んでいて、特に対策を施す必要はない。プロジェクトの進捗状況がぱっと見で理解できるので、非常に便利なツールと思います。

以上がCCPMの各Step解説でした。

◆カワヤス的補足

ここまで解説した内容を私カワヤスがエクセルで実践してみたところ、いろいろ気づく点がありましたので、ここからはその気づいた点を共有させていただきます。

■CCPMはソフトウェアを使用するのがベター

CCPMの考え方を私の業務の案件で取り入れてみましたが、とてもじゃないけどエクセルでちょこちょこやるのは無理でした。時間がかかりすぎますし、少しの変更を加えるだけでも複雑で大変でした。ところが、リソースの割り振りまでやってしまえば、あとは自動でガントチャートを作成してくれるソフトが存在します。このソフトを使えば、都度生じる変更にストレスなく対応できます。

■複数のプロジェクトを抱えている場合はどうするか

この場合は全てのプロジェクトでCCPMを実践します。通常通り業務を実行していけば、どこかで遅れが出始めます。その状況は進捗管理していれば容易に把握できますので、どこに優先順位をつけてリソースを割くべきかもわかります。

■ソフトを導入するには少しハードルが高い場合

私の勤めている部署のように何かを導入するために費用が掛かる場合、簡単に導入できるわけではないシチュエーションは少なくないと思います。その場合は、簡易的なCCPMをお勧めします。案件の検討自体を自身でやる場合、少なくとも複数タスクの検討時間が被らないようにスケジューリングするとよいかと思います。

■CCPMを導入したからと言って、必ずプロジェクトが期限内に達成できるわけではない。

これを言っては元もこうもありません(笑)ですが、忘れてはいけないことが「CCPMはプロジェクトを成功させるための手段」であることです。何か問題が生じたとき、その問題の根本的な原因を見つけて、そこに対処する手段を使わなければ、また問題が発生してしまいます。要は対処療法ではその場の解決にしかならないということです。組織の問題の原因を深堀し、その対策がCCPMというように合致していなければなりません。組織の問題解決のための思考プロセスについては、今後まとめて参ります。

◆まとめ

この記事ではCCPMについてまとめました。CCPMのステップは以下です。
Step1 ODSCSを明確にする。
Step2 タスクの従属関係を明確にする。
Step3 リソースを割り振る。
Step4 タスクにかかる時間を見積もる。
Step5 リソースの被りを無くす。
Step6 バッファーを設けて管理する。
そしてカワヤス的補足では、複数のプロジェクトでは、それぞれのCCPMを作り、進捗状況によって優先度を決めよう。ソフトの導入が厳しい場合は、簡易バージョンでやろう。CCPMはあくまでも手段であり、組織の問題の根本原因を見つけて対策を行うことが重要ということをお伝えいたしました。

◆最後に

ここまでご覧いただき、誠にありがとうございます。CCPMやザ・ゴール2にの魅力についてまだまだお伝えできていないことがございますので、もしよろしければ本書を手に取ってもらえましたら幸いです。そして、この記事の内容が少しでもあなたの役に立てば幸いです。
本書:クリティカルチェーン―なぜ、プロジェクトは予定どおりに進まないのか?
参考図書:Project Management進化論 クリティカルチェーン・プロジェクトマネジメント

以上、よろしくお願い申し上げます。
カワヤス

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