どうも!カワヤスです。
この記事では前回の記事に引き続き、セーフティを浪費することによる意味を本質的に紐解いてみました。今までプロジェクトの納期で悩まれていた方は、セーフティの用い方の本質に気が付くきっかけになればと思います。この記事が皆様のプロジェクト管理のヒントとなれば幸いです。
結論
結論:セーフティを浪費すると、プロジェクトは延びる方向にしか行かない。
おいおいカワヤスさん。みんなスケジュールを意識して仕事をしているのだから、たとえセーフティを浪費しても、後から挽回できるんだよ!と声が聞こえてきそうですので、早速解説していきたいと思います。では行きましょう!
過去の記事で述べたように、プロジェクトのセーフティは浪費されていることがわかりました。では、セーフティを浪費するとプロジェクトの納期はどうなるのでしょうか?本当に延びるのでしょうか。
ステップ浪費の意味
「最初のステップで作業が遅れた場合、次のステップの作業はその分開始が遅れる。最初で作業が早く終わっても、節約できた時間は次のステップに活かされず無駄になる。」これはどういう意味でしょうか?
ステップが繋がっている場合、それぞれのステップで作業が早く終わったり、逆に遅く終わったりしても、これが平均化されることはないということです。つまり、作業が遅れた場合は時間が溜まっていくが、早く終わった分時間が減ることはないということ。沢山用意されているはずのセーフティが消えてしまうということです。
並列ステップの場合
では、ステップが直列に繋がっている場合ではなく、並列に繋がっている場合はどうなるのでしょうか?例えば、4つの内3つのステップでは、みんな作業が5日早く終わったとしましょう。逆に残りの一つは15日遅れたとします。この4つの平均を取ると、プラスマイナス0になって、スケジュール通りに作業は進むはずだ…。ところがそうはいきませんね。ステップが並列になっている場合、普通どういうプロジェクトにも並列しているステップはたくさんあるものですが、その場合、一番遅れている部分が次のステップへと引き継がれます。他のステップがいくら早く終わろうがそれは全く関係ないのです。つまり、セーフティを用意しても大部分は役に立たないということです。もしセーフティを本当に必要な部分だけに用意することができればプロジェクトはスケジュール通り進められるかもしれません。しかし、何百ものステップがある中で、どこで問題が起きるか予言することができれば可能ですね。でもそんなのは無理です。
ところで、一度考えてみてください。一つ一つのステップのパフォーマンスを守ろうとしている。これはコストワールドの考え方ではないでしょうか。
哲学(スループットワールドとコストワールド)
どうやらこの考え方の間にコンフリクトがありそうです。仮定が何か間違っていて、その結果パフォーマンスが悪かったのでしょうか。だとすればいったいどんな仮定でしょうか。各ステップにたくさんのセーフティが組み込まれていることになっているが、本当にそうでしょうか。
ここまでをまとめると
・ステップを早く終わらせても、その分の余裕が後ろのステップに引き継がれることはない。
・ステップが遅れた場合はその分遅れが溜まっていく。
・直列のステップも並列のステップも基本的な考え方は一緒。
・プロジェクトの各ステップを守る考え方はコストワールドプロジェクト全体のパフォーマンスを守る考え方はスループットワールド。
最後になりましたが、本記事が皆様に少しでもお役に立てれば光栄です。今後ともカワヤスブログをお願いいたします。
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