どうも!カワヤスです。
これまでは、TOCステップ2「制約条件を徹底活用する」の通り、プロジェクトのボトルネックであるクリティカルパスを徹底活用するためには、クリティカルパスの最後のみをバッファで保護することが重要だと述べました。TOCのステップ3では、制約条件以外の全てを制約条件に従わせなければいけません。ではどうすれば非制約条件を制約条件に従わせることになるのでしょうか?この記事ではプロジェクトの全体最適を目指し、TOCステップ3について言及して参ります。今までプロジェクト管理で悩みを抱えていた方は、改善の本質について気づくきっかけになればと思います。この記事が皆様のプロジェクト管理のヒントとなれば幸いです。
結論
結論:プロジェクトにおけるTOCステップ3とは、非クリティカルパスからクリティカルパスを守るために、非クリティカルパスに合流バッファを設けるということです。
おいおいカワヤスさん。早口言葉ですか?ちょっと何言っているかわからないですよーと声が聞こえてきそうですが、しっかり解説していきたいと思います。では行きましょう!
過去の記事で述べたように、重要なのは全体のパフォーマンスです。部分効率化を良しとする考え方はコストワールドの考え方です。一方で、全体のパフォーマンスを守る考え方はスループットワールドの考え方です。
TOCステップ2 制約条件を徹底活用する
プロジェクトにおけるTOCステップ2では、クリティカルパスを徹底活用するためにクリティカルパスの最後にのみバッファを設け、各ステップからはバッファを取り除くことでした。クリティカルパスでは少しでも時間を無駄にしてはいけません。しかしそのためには、次のステップで制約条件以外のすべてを制約条件に従わせないといけません。でなければ制約条件を徹底活用できなくなります。
なぜクリティカルパスに非クリティカルパスを従わせなければいけないのか?
従わせないと、非クリティカルパスで起こったトラブルが原因でクリティカルパスの時間が失われてしまうからです。制約条件を保護することができなくなります。ここまではクリティカルパスのステップについて考えてきました。それも非常に大事なことなことです。しかし、クリティカルパスに合流する他のパスでトラブルが起きて、それが原因でクリティカルパスにも遅れが生じるようなことはありせんか?ここで重要なのは、クリティカルパスに影響を及ぼす問題の多くが、実はクリティカルパス以外の場所で起きているということです。これを理解しなければ制約条件以外のすべてを制約条件に従わせることの意味が理解できません。単に実行したほうがベターということではなく、必ず実行しなねればいけないのです。いかがでしょうか?非制約条件で発生する問題から制約条件を守ってやる必要があると思いませんか?
生産設備とプロジェクトにおけるバッファの考え方
製造では非ボトルネックで発生する問題から、どうやってボトルネックを守っていますか?
プロジェクトでは仕掛り在庫はありません。在庫の代わりに時間を基準に考えなければいけません。ということは、タイムバッファを用意すればいいのです。ではどこにタイムバッファを置けばいいのでしょうか?
ボトルネックの前とは、プロジェクトにおいては何を意味しますか?
合流パスごとに各ステップの見積時間の半分を削り、削って得られた分を合流バッファとして使うことにしてみましょう。
仮にプロジェクトが遅れているとしましょう。まずは遅れているところを取り戻すことに神経を集中します。もしどうがんばっても遅れを取り戻せないとしても、まだ2ヶ月のプロジェクトバッファがある。合流バッファは非クリティカルパスで生じる遅れからクリティカルパスを守るのが役割です。しかし、発生した遅れが合流バッファより大きい場合でも、プロジェクトの完成期日はプロジェクトバッファによって守られます。この考え方はいかがでしょうか?
まとめ
プロジェクトにおけるTOCステップ3とは、非クリティカルパスからクリティカルパスを守るために、非クリティカルパスに合流バッファを設けるという結論をご理解いただけたでしょうか?これでクリティカルパスをマーフィから守ることができますので、徹底活用することができます。クリティカルパスは少しも遅れを許しません。ところが、クリティカルパスを遅れさせる要因はほかにもあります。例えば、クリティカルパスのステップで、他はもうすでに準備できているのに、必要なリソースが他の仕事で忙しく、まだ準備できていないような状況が時々起こります。こうした状況をどのようにすれば防ぐことができるのか。今後はそういった問題にも着目して言及して参ります。
最後になりましたが、本記事が皆様に少しでもお役に立てれば光栄です。今後ともカワヤスブログをお願いいたします。
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