プロジェクトにおけるボトルネックは何か?TOCをわかりやすく解説!

生産技術

どうも!カワヤスです。
これまで、工場の生産設備に関する全体最適化やリードタイム長期化対策について述べました。実はこれらのノウハウはプロジェクトにおいても有効な話です。ではどうすればプロジェクトに応用できるのでしょうか?この記事ではプロジェクトの全体最適を目指し、プロジェクトのボトルネックについて言及して参ります。今までプロジェクト管理で悩みを抱えていた方は、改善の本質について気づくきっかけになればと思います。この記事が皆様のプロジェクト管理のヒントとなれば幸いです。

なお、本記事で紹介する内容はエリヤフ・ゴールドラットさん著書の「クリティカルチェーン」および「ザ・ゴール」に基づいています。この記事で紹介しきれないノウハウがぎっしり詰まっていますので、興味を持たれた方は、ぜひ本書を手に取ってみてください。
本書リンク:クリティカルチェーン―なぜ、プロジェクトは予定どおりに進まないのか?
本書リンク:ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か
全体最適化やリードタイム長期化対策については過去の記事をご参考ください。
過去記事:リードタイム長期化対策!短期化する策とは?

結論

それでは早速結論です。結論:プロジェクトのボトルネックはクリティカルパスです。

おいおいカワヤスさん。生産設備だけでなくプロジェクトにもボトルネックがあったのかいと声が聞こえてきそうですが、しっかり解説していきたいと思います。では行きましょう!
過去の記事で述べたように、重要なのは全体のパフォーマンスです。部分効率化を良しとする考え方はコストワールドの考え方です。一方で、全体のパフォーマンスを守る考え方はスループットワールドの考え方です。

コストワールドとスループットワールドの考え方はこちらの記事をご参考ください。
過去記事:スループットの最大化を妨げるものは何か?
ボトルネックの考え方はこちらの記事を参考にしてください。
過去記事:ボトルネックは本当に一つなのか?

TOC(制約条件の理論)おさらい

TOCは5つのステップから構成されています。
ステップ1 制約条件を見つける
ステップ 2 制約を最大活用する方針を決める
ステップ 3 制約以外のすべてをステップ2の決定に従属させる
ステップ 4 制約を強化する
ステップ 5 制約が解消したら惰性に気を付けてステップ1に戻る

TOCで制約条件を改善するフレームワークの一つである「5段階集中プロセス」参考:https://toc-consulting.jp/toc/

ステップ1 制約条件を見つける:プロジェクトのボトルネック

A01冷蔵庫モデルの開発は非常に上手くいき、素晴らしい製品ができあがりました。開発もスケジュール通りに終わり、マーケティングも大成功です。さて、この場合の制約条件は何になると思いますか?ところで、ボトルネックとは何でしょうか?
ボトルネックとは、市場が求める数量を製造するのに十分なキャパシティをもたないリソースのことです。市場の需要を満たすことができなければ会社の利益も伸びません。それでは現状を見てみましょう。A01冷蔵庫のプロジェクトはいま現在、皆さんの掌中にあります。開発途中です。どうしてまだA01冷蔵庫は利益を上げることができないのでしょうか?それは開発がまだ終わっていないからです。開発部門にとってのパフォーマンスとは数量ではなく、製品開発を期限通りに終わらせられるかどうかです。もしくは期限よりも早く終わらせられるかどうかです。

プロジェクトのリードタイム

PERTチャート参考例

このPERTチャートには、製品を開発するためにやらなければいけないステップが全て書き込まれているとします。では、このプロジェクトの開始から完了までのリードタイムは何によって決定されますか?

クリティカルパスです。

であれば、このプロジェクトの制約条件はなんですか?ボトルネックに相当するのはなんですか?

クリティカルパスです。

制約条件の理論によると、ステップ1は「制約を見つける」ですが、その次はステップ2です。
次は制約を徹底活用するわけですが、何をしなければいけませんか?

クリティカルパスを無駄にしないということです。

クリティカルパスを無駄にしないという意味はどういうことでしょうか?

まとめ

今回はプロジェクトのボトルネックを特定しました。
ボトルネック、つまり制約となるのはクリティカルパスです。
ところで、クリティカルパスを無駄にしないということはどういうことでしょうか?
次回の記事ではクリティカルパスの最大活用について言及していきます。

最後になりましたが、本記事が皆様に少しでもお役に立てれば光栄です。今後ともカワヤスブログをお願いいたします。

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