プロジェクト進捗管理で押さえておくべきポイントは?

生産技術

どうも!カワヤスです。
この記事ではプロジェクト進捗管理で押さえておくべきポイントを考察してみました。
この記事は、いつもプロジェクトがうまくいかない人やプロジェクトを任されたばかりでこれから進めていくという人にぜひ読んでほしい記事です。プロジェクトの進捗管理のヒントとなれば幸いです。なお、本記事で紹介する内容はエリヤフ・ゴールドラットさん著書の「クリティカルチェーン」に基づいています。この記事で紹介しきれないノウハウがぎっしり詰まっていますので、興味を持たれた方は、ぜひ本書を手に取ってみてください。

 

結論

  それでは早速結論です。
結論:プロジェクト進捗管理で押さえておくべきポイントは「クリティカルチェーンの進捗度」です。
クリティカルチェーンとは何ですか?となりますので、本記事ではいきなりクリティカルチェーンを説明するのではなく、まずクリティカルパスの重要性について述べたいと思います。クリティカルチェーンについては、クリティカルパスの重要性をご理解いただいたうえで、読み進めていただきたいです。別の記事でまとめていきます。
さてそれでは、クリティカルパスの重要性について深掘りしていきましょう!

クリティカルパスとは

クリティカルパスとは、プロジェクトにおける従属関係にあるステップを繋いだパス、つまり経路で、時間的に一番長い経路と定義されます。具体的にイメージを共有します。
例えば、ある工場を建設するプロジェクトがあったとします。工場の建物を建築するのに720日。建物を操業可能な状態とするのに90日。
ここでいう状態は、例えばユーティリティなどが整った状態であるとします。
機械を設置するのに180日。その機械のメーカーを選定するのに60日。機械を製作するのに300日かかるとします。

PERT図で表すとこのような流れになります。
建築と機械の検討は同時にできるものとすると、建築の経路の方が機械製作の経路に比べ長いことがわかります。ゆくゆくは建物ができてから機械を設置しなければなりませんので、各々の経路は最終的には合流します。この場合、時間的に最長である建築→機械設置までの経路がクリティカルパスを意味します。
PERT図が何?という方は、以下のサイトをご参考ください。
https://it-trend.jp/project_management/article/33-0051

クリティカルパスはプロジェクトが完了するまでの時間を決定します。
クリティカルパス上で何らかの遅れが生じると、プロジェクトを完了する時間も延びてしまいます。だからクリティカルパスに注意を集中させることが非常に重要です。

クリティカルパス以外のパスをいつ開始するか?

申し訳ないですが、結論を先延ばしにします。この記事では、でれだけ曖昧にプロジェクトを進めているのかまず知って欲しいのです。
さて本題。先の例でいくと、クリティカルパスの開始時間を0とすると、プロジェクトが完了するまでは990日かかります。それでは、他のパスはいつ開始したらよいのでしょうか?
機械メーカーの選定はいつ開始すべきですか?
選択肢

①450日後に開始する。(パス合流前から遡って必要となる日数ギリギリから始める)
②プロジェクト開始と同時に開始する。(建築と同時に開始する)

①と②のどちらが良いのでしょうか。
投資を先延ばしにすることで節約できるお金分と、プロジェクトの完成が遅れて損害が発生するリスクとを天秤にかけて比較してみますか?こういった経済的な問題がある一方、マネージメントの問題も存在するのではないでしょうか。

①の考察

クリティカルパスとは別のパスの開始をギリギリまで遅らせたとしましょう。すると、今までクリティカルパスではなかったパスはクリティカルパスに変化するのではないでしょうか?
もしギリギリまで待ってスタートすれば、パスには時間的余裕は一切なくなります。ということは、もしそのパス上で何らかの遅れが生じたら、プロジェクト全体にも遅れが生じるということです。全てを優先しなければいけないということはどれも優先しないことと同じです。もしプロジェクトリーダーの注意が散漫になって、優先順位を間違えるようなことになれば、プロジェクトが遅れる可能性が有る。プロジェクトが遅れると入ってくるはずの利益が入ってこない。これは非常に大きなダメージです。

②の考察

実際のプロジェクトではこんなにシンプルではなく、もっと多数のパスが存在しています。ステップも無数にあります。全てのパスを始められる最も早いタイミングで始めたとしたら、同時進行しなければいけない作業が増えて、プロジェクトリーダーは混乱してしまいます。
経験上、同時に多数のことに手をつけていたら、何を先にやったらいいのか神経を集中することができなくなってしまいます。プロジェクトリーダーにとって何が一番致命的かと言えば、集中力を失うこと、優先順位を取り違えてしまうことです。

 これらのことから、プロジェクトリーダーがやるべきことを見失わなくて済むようなメカニズム、ルールが必要ですね。

プロジェクトを進める上で重要なこと

どういうメカニズムやルールが求められるか。それは、プロジェクトリーダーが、今何をすべきかきちんと把握できるメカニズムやルールが必要です。
もし今やるべきことを把握していれば、問題が発生しても全て解決できます。把握していなければ利益は諦めなければいけないです。プロジェクトを進めていると必ずマーフィーが訪れます。一度や二度ではなく、何度も現れます。
プロジェクトリーダーの注意が散漫になっていることが原因で緊急な問題が発生した場合、それが大きな失敗に繋がることがあります。

であれば、いつ始めるべきなのでしょうか…。

結論の前に、そもそも注意力を失わないためには、プロジェクトの進捗状況をしっかり測っておけばよいよいうことになります。問題はその進捗レポートが手元に届いて問題が発生していることに気づいたときは手遅れということです。大げさかもしれないですが、レポートには大抵、プロジェクトの9割は一年以内に完了、残りの1割はあと1年かかるというようなことしかかかれていません。このような状況では話になりません。プロジェクトの進捗状況をどうやったらもっと監視できるのか考えなくてはいけないのです。

では、実際はどのように監視しているのでしょうか?

①すでに完了した作業をこれから行わなければいけない作業と比較することで計測される。
②すでに投資した金額をこれから行わなければいけない残りの投資金額と比較することで計測される。

→クリティカルパスとそうでないものを区別できているものではありません。このような評価方法を用いた場合、どうなるか?どのパスも早く始めることになるでしょう。
この方法では、ひとつのパスの遅れを他のパスで補うことができるからです。つまり、ひとつのパスで作業が遅れている場合でも、他のパスで頑張って作業を早く進めようとします。ただ、いくら他のパスで頑張ったとしても、結局最後は遅れているパスを待たなくてはいけなくなります。投資するタイミングも不必要に早くなるし、もっと悪いのは遅れているパス、つまり本来一番注意を必要としているパスに対し注意が向けられなくなる可能性があることです。どのプロジェクトでも最後の10%で苦労する。ずるずる延びる。その理由は、進捗状況を測るうえでクリティカルパスの重要性を見落としていたからです。

ここまでをまとめると

・クリティカルパスの進捗状況を適切に監視できれば、プロジェクト管理が上手くいきそう
・クリティカルパス以外のパスを実行するタイミングは、開始直後でも、ギリギリのタイミングでもダメで、どこかに適切なタイミングがありそう。
・管理がしっかりできていれば、マーフィーにも対応できる余力を持っておけそう。

最後になりましたが、本記事が皆様に少しでもお役に立てれば光栄です。今後ともカワヤスブログをお願いいたします。

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